2016.10.17
不動産価格はどんな動きをする?
2013年の後半から地価が上昇し、不動産の売買価格も上昇しています。2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催決定により、不動産の価格が更に高騰しているニュースを見たことがある方も多くいらっしゃるでしょう。
そんな中、更に上がるのか、それと下がるのか・・・
という今後の不動産価格の推移が気になり、投資用不動産を購入したいものの悩まれている方もいらっしゃると思います。そこで今回は2回に分けて
- 現在の不動産市場の状況
- 新築不動産の価格
- 中古不動産の価格
- オリンピック開催に伴って不動産価格の推移
などについて書いていきます。これから不動産の購入を検討されている方の参考になれば幸いです。
今の不動産市場の状況は?
アベノミクスなどの影響により、2013年後半から不動産価格が上昇しています。また、下記のように国土交通省が9月5日に発表した「不動産市場動向マンスリーレポート」によると、首都圏の7月の成約件数は「3190件」となっており、価格が高騰している中でもマンションの取引が活発であることが分かります。
出典:国土交通省「不動産市場動向マンスリーレポート」
価格が上昇しているにもかかわらず、取引が活発な要因には以下のようなものがあります。
- 金融緩和により不動産投資ローンの融資を受けやすくなり、サラリーマン投資家が増えた
- オリンピック開催に伴うインフラの整備による地価の上昇
- 相続税増税に伴って、相続税対策を目的に不動産購入をする人が増えた
- 中国などの富裕層からの不動産の「爆買い」
- 株式投資などから安定している不動産投資への資産の組み換えをする投資家が増えた
など。
地価の上昇傾向は今後も継続するのか?
続いて、地価の推移をみてみましょう。
全国の地価推移
まず、全国の地価公示価格をみてみましょう。2015年の坪単価は「495,735円/坪」となり、前年と比較して「+2.99%」と上昇しています。
最も上昇率が高いのは、東京都の5.19%。続いて宮城県の4.02%、愛知県名古屋3.35%となっています。
出典:土地DATA
東京都内の地価推移
続いてより細かく、東京都内の地価をみてみましょう。最も上昇率を見せている東京都の2015年の坪単価は「2,782,095円/坪」となり、前年と比較して「+5.13%」と上昇しています。千代田区の11.24%、中央区の10.16%の2区はなんと二桁の上昇率となりました。
出典:土地DATA
新築住宅価格はどうなる?
先ほどお伝えしたような地価上昇に加え、オリンピックの建設ラッシュの影響による建築資材の価格アップや人手不足による人件費の高騰を考えると、新築住宅価格も高騰していると予想される方が多いのではないでしょうか。
しかし、国土交通省が9月5日に発表した「不動産市場動向マンスリーレポート」では、首都圏の7月の新築マンションの平均価格は前年同月、東京オリンピック開催が決定した直後と比較して、価格は「5.0%」も下落したことが分かります。
出典:国土交通省「不動産市場動向マンスリーレポート」
下落の要因としては、需要に対して供給過多の状況になっていることが考えられるでしょう。
中古不動産の価格は?
一方、中古不動産の価格はどうでしょう。
同じく国土交通省が2016年9月5日に発表した「不動産市場動向マンスリーレポート」によると、2013年から右肩上がりに上昇していることが分かります。
出典:国土交通省「不動産市場動向マンスリーレポート」
消費税アップによって不動産価格の値下がりが懸念されましたが、消費税のかからない個人間取引の中古マンションの価格にほぼ影響されていないと言えるでしょう。